磯の釣り座選定について


釣りで一番大切なのは、出かけようとする釣り場で釣れているかどうかの、まずは釣況。
二番目には、磯の選択、である事は言うまでもない事です。

―とここまでは順調にきました。
―が、さてさて、出かけた場所が始めての釣り場だったり、上がった磯が始めての磯だった場合、三番目には、何処を釣るか、という事が問題になってくる、と思います。

釣りは誰がどうのこうの言おうと、まずは腕よりも場所が優先するのですから。

そこで、釣り座の選択から、狙うポイント選定までの選択基準を少し述べさせていただきます。


【独立磯の場合】

<磯周辺の潮が流れている場合>

<四分の一の法則>

磯へ上がって一番最初に注目しなければならないのは、その磯周辺の潮の流れです。

通常、独立した磯へはどちらか一方向から潮が当たってきています。
潮が当たってくる方向は、通称 "当たり潮ポイント"、といって石鯛狙いならともかくも、グレ釣りではまずは敬遠するポイントです。

その見極めの具体的な方法としては、まず例外なく、磯周辺の海面が鏡のようにベッタリとしている、という事が挙げられます。

その様子を少し注意して見ていただければ、当たり潮かどうかの判断は簡単にできる、と思います。
この事だけで、もう磯の半分は狙いポイントから除外できます。

次に残り半分からのポイントの選択ですが、当たり潮の反対側には、通称 "潮裏"、といって、潮の変化がほとんどない場所ができます。こんな場所も当然ながら除外します。

−となれば、一つの磯で、狙うべきポイントは、当たり潮や潮裏を除いた、残りの場所、という事になってしまいます。

そこで、次に潮の流れる状態を観察すれば簡単に判断できる場合も多いのですが、潮の流れのその強さの度合いに注目します。
潮が磯へ当たってくる状態は、どちらか一方が強い場合がほとんどです。

強く当たって流れ出している方向、その場所の周辺こそが一番先に狙うべきポイントとなるのです。

どんな大きい磯であれ、この法則は変わりません。

まず、磯を潮の流れる方向を見極めて半分に分割します。
さらに上記したように、その半分をさらにまた半分に分割してしまいます。
そうすると、残りの場所は四分の一、という事になります。

私はこれを磯でのポイント選択時の基本として、 "四分の一の法則"、と呼んでいます。
大きい磯でも、実は狙うポイントは全体の四分の一程度しかないのが普通なのです。


<磯周辺の潮が流れていない場合>

上記は潮の流れを基本とした選択基準なのですが、潮がほとんど動かない状況下では残念ながら四分の一の法則はあてはまらない場合が多くなります。

グレ釣りは潮の変化している場所を釣る釣りです。
そんな状況下では、まずは磯の周辺で一番海面が変化している場所を探すのが基本です。

潮の変化の判断基準は、一番には海面の波立ちです。
海面にできる無数のシワをじっと眺めていれば、そのシワの大小さまざまな様子が結構複雑に変化している様子がわかります。
風が少々吹いていたとしても、海の潮のその大きな変化は絶えず海面を通じて、その時々の潮の様子を教えてくれています。

"海面のシワの法則" ではないのですが、波立ち具合いの少しの変化でも、その様子に着目してはいかがでしょう。

少しうねりがあれば、周辺のシワの変化は激しくなります。
シモリ周辺などもシワの変化は激しいものです。
全く見えないシモリでも、時として海面のシワの変化で教えてくれる事も多いものです。

シワは釣り人に、釣るべき、そうして狙うべきポイントを教えてくれているのです。

結論として、狙うべきポイントは海面のシワが一番変化している場所、ということになります。
そうしてシワが一番変化している近くの釣り座を選ぶ事が大切だ、というのはもう言うまでもない事です。


【地磯の場合】

地磯といっても大きく岬の突端みたいに突き出した磯もあれば、だらだらと横に大きく伸びた磯、とその形は大小さまざまです。潮通しの良い地磯もあれば、潮の動きの非常に悪い磯、と本当に千差万別です。

周辺の潮の流れがそこそこならば、"当たり潮"と"潮裏"ポイントを一番最初に除外します。
これで磯の半分以上は除外できます。

地磯の場合の判断基準は、沖磯の場合と比べればまずは "二分の一の法則" で良いのです。

半分に絞り込んだなら、次は磯の地形の変化に着目します。

磯は海面に出ている、いわば大きなシモリの一種なのです。

これは地磯に限らず沖の独立磯もいっしょの事なのですが、潮が当たれば、その磯の地形の複雑さを受けて、磯周辺の潮の流れは変化します。―となれば、一番潮が変化するのは、磯の地形の複雑に変化している場所周辺、という事になります。

私はよく磯上がりをする前とかした後に、自分が上がった磯の海面に近い地形の様子を、丹念に見て回ります。

変化の激しい地形の磯ならば、潮が動いている時や、うねりでサラシなどが払い出された時には、間違いなく変化のあまりない磯際の地形より、より大きな潮の変化状態をつくり出してくれるからです。

釣り座選定の基準には、全体の潮の流れ具合いも重要ですし、周辺の海面にできるシワの変化ももちろん重要です。
−がそればかりか、一度自分の上がった磯の足元の地形にも注目してみてはいかがでしょう。

自分の足元にはまったく無神経で、潮の動きや周辺の潮の変化ばかりで場所決めを行なう人が結構多いのですが、それにもう一つ付け加えて、地形の変化にも着目して場所決めを行なう事をお勧めいたしましょう。

この三点を基準にして、釣り座の場所決めをしていただければ、もう今後の釣り座選定で迷う事はない、と思えるのですが、、、、。


(注)
<この原稿は、1月下旬に発刊される、ある磯釣り専門誌に掲載される予定の内容を、一足お先に公開しました。>