口太と尾長の相違点
NO.2

口太と尾長のウキ下、タナ取りについて

(1) ウキ下の比較

口太も尾長も、狙うタナは通常ではそれほど変わりません。
マキエサを拾い、食い上がって来る習性がよく似ているからです。それぞれが食うタナは、その状況下での潮の状態やマキエサの状態で左右されるため、ウキ下はその場の状況次第となります。
ただ、いままでの経験からすれば、同じ状況下での比較ならば、口太よりは尾長のほうが少しタナは浅いようです。
食い上がってくるスピードの違いからかもしれません。
特に、潮が動けば動くほど尾長はその動きが活発になるのかある程度のタナまでは食い上がってくる傾向がみられます。
潮に敏感に反応し生き生きとした動きになるのは口太も尾長も同じなのですが、その動きの違いが食ってくるタナやポイントなどにちょっとした変化となって表れてくるのです。
―とある時の愛媛県武者泊での出来事です。
その日はグレがコンスタントに釣れていました。
ウキ下は竿一本(約3.5ヒロ)と二人とも全く同じウキ下で快調に釣っていました。
ところが、同じウキ下で同じポイントを釣っているにも関わらず、わたしには尾長ばかりで釣友は口太ばかり。
不思議な出来事が起こってしまいました。
それもお互いが40cm前後のグレをそれぞれ別々に約10匹ほども釣ったのですから、この事実は偶然などではなく、何か決定的な理由が存在していたのです。
実はその理由について、わたしは釣っている途中にも自分なりに理解していたのです。
釣友はきちんとマキエとサシエサを合わせて釣っていました。
わたしはサシエサをマキエサよりも少し潮下へ意識して入れていました。
釣友のハリスにはたった一個ですがBのガン玉がハリスの真ん中に打ってありました。
わたしのハリスにガン玉はありませんでした。
誰にも判りやすい違いといえば、この二点だけだったのです。(それ以外に、仕掛けの流し方が若干違ったのかもしれませんが。)
けれどもこの二点が尾長と口太の決定的な分岐点となったのです。
尾長と口太の持って生れた習性の違いが釣果というはっきりとした形となって表れたのです。
エサを拾う範囲、すなわち就餌行動の遊泳範囲は尾長の方が口太よりも遥かに広いのが証明されただけでなく、尾長のほうがより仕掛けの馴染んだ状態のエサに敏感に反応した結果でもあった訳です。
時折少し仕掛けを張り気味に、そうして緩めるというサシエサ先行パターンで流したため、さらにはガン玉を打っていなかったため、わたしのウキ下のタナは彼よりも少し浅かったかもしれません。
ちょっとした違いが、尾長と口太の分岐点となりました。参考になれば幸いです。

(2) タナ取りの比較
ウキ下とタナ取りは違います。
タナ取りとはウキ下の変化状態の事です。
尾長と口太のタナ取りの方法は、同じようにみえて実は少し違います。
潮に敏感に反応する尾長はタナ取りが難しいと思われがちかもしれませんが、わたしはむしろタナ取りに神経質にならなければならないのは口太の方だと思っています。
尾長はエサにも反応しますが、エサ以上により敏感に反応するのが潮なのです。
口太の場合はエサにも潮にも敏感に反応するために、潮のみならずマキエサの撒き具合やその量などによってもタナは絶えず変化してしまいます。そのため、釣っているタナは刻々と変化しているのが常なのです。
尾長の場合は、決していい加減ではないのですが通常のタナはだいたいが3〜5ヒロまでなので、その日の状況に応じてだいたいはこの間のタナで調整を行っています。
タナの変化は一日の内でも口太のそれと比べると十分の一くらいにしか行っていません。
タナ取りの比較からでも同じようなグレでありながら、尾長と口太は区別して釣っているのです。
口太はポイントの選定やマキエサばかりか結構タナ取りに悩まされますが、尾長はタナ取りよりも釣るポイント、すなわち周辺の潮の動きに悩まされているのが現状なのです。

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