"闘魂ウキ"の性質と、その特性について

ウキ釣りの楽しさは、そのウキの持っている表現力です。
ウキにはどのようなウキであれ、その一個一個にはそれぞれの持つ特性や性格があります。
不思議に思われるかもしれませんが、ウキも海に浮かんでいる時には、人間と同様に、それ自体が自己主張をしている存在なのです。
そのため、ウキは釣り人にいろんなことを伝えようとします
風や波の状態ばかりか、ハリスの状態サシエサの状態潮の状態、そうして魚のアタリの状などをその時々に刻々と伝えてくれています。
そのウキからの情報量が多ければ多い程、釣り手側は次の判断を下そうとする場合に非常に有利になってくるのです。

私は情報量の多いウキを、よく仕事をするウキだと思っています。
よく仕事をするウキとは、還元するなら、魚がよく釣れるウキに他ならないのです。
"闘魂ウキ"を作り始めて以来、"よく仕事をするウキを作りたい。"、―と、いうのが私の一番大きなテーマでした。

ところが、自然の状況は我々釣り人が考えているほど計算どうりにはゆきません。
そのため、ある条件下ではものすごくよく仕事をするウキでも、自然条件が変われば全く仕事をしなくなったりもするのです。
また、海の状況や魚の状況も年により変化しています。
そんな理由から、その時々の、その状況に一番適したウキを作りたい、という一心で作っているのが自分のウキの一番大きな特徴といえるのではないかと思っています。

そのため、"闘魂ウキ"には作った年号を表示してあります。(以前は年号とその年の月を書き入れていたのですが、今はもう年号だけです。)
自分が釣行し、それまでのウキで何不自由なく釣れれば問題はないのですが、元来の欲張りな性格からか、もっと釣り易く、もっと釣れるウキはないのだろうかと常に考えているため、いつの間にやら"闘魂ウキ"のその種類は、自分でも驚くほどになってしまいました。

ウキの胴が太いもの細いもの形状が大きいもの小さいもの長いもの、短いもの、その自重が重いもの、軽いもの、などとその種類には自分でも呆れるほどです。

さらには、その表面カラーも、トップの蛍光がミカンオレンジピンクイエローなどで、胴の部分に至ってはその時々の自分自身が気に入ったカラーを塗り分けているために、もしかしてもう完全にウキオタク(?)の世界に入っているのかもしれません。

余談になりましたが、ウキを作っている上でこれだけは絶対に譲れないというのが、まずはそのバランスなのです。
バランスの悪いウキは、ウキから伝わる情報力が不足します。
バランスの悪いウキとは、フラフラとして重心がセンターからずれているもの、ウキの下部に重心が集中し過ぎて安定性能が良すぎるもの、の二つが揚げられます。

次に、ウキのタフさ加減です。
人間でも同じなのですが、最初は調子が良くても時間の経過や受けるダメージなどによって次第にその能力が低下してくる、というのでは困ります。
常に最初の能力と同じ状態を保たなければ、コンスタントに持っている能力は発揮できません。
ウキも人間同様、タフでなければならないのです。

ウキを作っている上で、この二点にだけは常に細心の注意を払ってきました。
そのため、"闘魂ウキ"のどのような形状のものでも、ある一定の作者のポリシーというものは感じていただける、と確信しています。
換言し、極端な言い方をさせて貰えるならば、"闘魂ウキ"のその性格やその性質、その性能などはどんな種類のものを使っても、同じなのだ、ということなのです。

釣りはウキですべてが決まる、というそんな単純な遊びではありません。
ウキの種類など関係のない、どんなウキを使おうと関係なしに釣れる状況などいくらでも出くわします。
けれども、時としてこのウキでなければ釣りの計算が成り立たない、といった状況にもひんぱんに出くわすのです。
それは、たとえば潮がフラフラして潮の動きの状態が読めない時時合いが終わった後の魚の就餌意欲が極端に低下した時、などにはウキの力をも借りなければならない状況に追い込まれてしまうのです。
そんな時にこそウキの持つ本当の潜在的な能力が発揮されるのです。

幸い、現在は市販されているウキの種類も、その数も、そのデザインも多種多様なものが揃っているみたいです。(私は自分のウキしか使わないので余りよくは判りませんが、、、、。)
その中には相当優秀なウキもたくさん在ると思います。
私が釣りに夢中になっていた頃はウキの種類も少なく、使用に耐えるモノはほとんどと言っていいくらいに在りませんでしたが、今は違うと思います。
それ故に、どういった基準でウキを選べばいいか迷ってしまうかもしれません。
道具は見た目だけでなく、使ってみなければ理解できない部分があるからです。

けれども、もしもそんな中で"闘魂ウキ"を見かけたならば、ぜひ一度御使用されることをお薦めます。