2001年5月14日 「闘魂エッセイ 第4回」


<上手な人は、釣れる確率の高いポイントや釣れる確率の高い潮を狙います。>


夏が来ればアユの友釣りのシーズンです。
ずいぶん夢中になった私も、アユの友釣りをはじめてもう二十年近くになろうとしています。過去にはトーナメンターを目指し、全国各地の河川へ出かけたものでした。

ある年の事です。
田舎の井戸の中の蛙であった私が、今はテスター仲間である村田満さんや西角嘉昭さん、それからそんなに親しいお付き合いではないのですが、室田正さんを大将とするR軍団のいわゆるアユ釣りの達人の釣りを見る機会に恵まれました。その腕もさることながら、一番感心した事は、それこそシロウトの私が見ても惚れ惚れするようなポイントしか釣らなかった、という事に驚きを感じたものでした。

上手な人ほど場所の見極めが早く、釣れる確率の高い場所を探します。
意外と単純で簡単な事だったのですが、実はこれこそが釣りの一番のコツだと感じたのです。

人間の技術なんてそうそう大きな差がある訳ではありません。
けれども釣ろうとするポイントを見極めれるかどうかで、大きな差がついてしまうのですから、これは釣り人にとっては、実は大変大きな問題なのです。

アユ釣りの場合は、場所をある程度動く事ができます。
磯釣りでは上がった磯で潮取りが悪かったり、魚がいなかったり、とアユ釣りのように条件の違う場所へは動けません。
ある程度限定された場所の中で悪戦苦闘してしまいますが、それでもどこかに変化している潮はないものか、またシモリやサラシはないものか、と釣り人の工夫が始まります。

できる限り与えられた条件や状況の中で知恵を搾り、まずは実践を行う事です。
そうする事によって、釣れないポイントの把握ができるばかりか、釣れるポイントを見極める眼も養われてゆくのです。

それ以前の出かける釣り場の選定や釣り座の選択は、情報と自分自身の判断にゆだねるとしても、ひとたび磯へ上がって魚との対峙が始まったなら、釣れるポイント、釣れないポイント、の見極め方を常に感じ取りながら釣りを組み立ててゆくことで、必ずや今後の釣りに大きな影響を与えることになるでしょう。

よくメールで潮の読み方を教えてください。といったような質問をいただきますが、潮は捉えどころのない、ましてや形があるようでないものです。
釣れる確率の高い潮、釣れない潮、それらがどんな潮なのかは、まずは釣り場へ出かけ、潮の動き具合いを体の五感全体と釣っている仕掛け全体で、釣りながら体験する事が一番の近道だと思われます。

釣れない潮から覚えてゆけば、その内に釣れる潮との違いも自然と覚えてくるでしょうから。


【このページは第4回です】