2001年5月29日 「闘魂エッセイ 第18回」


<釣りは、釣り場へ出かける前から、もうすでに始まっています。>


釣り場へ出かけようとするその前の楽しい時間については、前日のエッセイで少し書かせていただきましたが、問題は事前に行うその準備です。

遠足に出かけるその前日には、もうすでに頭の中は明日の事で一杯です。
リュックサックにお菓子を詰め込み、そのお菓子も当然ながら、自分にとって必要か必要でないかの判断をさせられます。
ハンカチから始まり、ある人にとっては、乗り物の酔い止めの薬も入れなければなりませんし、ある時には遊び道具を入れる場合もあるでしょう。

頭の中はまだまだ “期待という荷物” がたくさん入る余地は残されていますが、それほど詰め込むことのできないリュックサックには、しぜんと入る量が限られてしまいます。

どうも我々は子供の頃から、自分自身の段取りの方法について、いつしか知らない間に訓練されてきたようです。

ところで、釣り人にとってのリュックサックの中身は、当然ながら釣り用品。

ロッドケースには、まずは最低限必要な竿と予備の竿、タモの柄、マキエシャク、などなど。救命具のポケットには 、ウキから始まり、ハリス、ガン玉、針、などなど。磯バッグに入れるものにしても、それはまた然り、です。

そんな準備を怠りなく用意している間も楽しい時間なのですが、こと磯釣りに関しては非常にたくさんの種類の道具や用具が必要です。
いやそればかりか、思わぬトラブルに対処するためにも、これで十分だ、といった妥協点を見つけ出そうとすれば、なかなか大変な作業になってしまいます。

浮かれた気分でばかりいる訳にはゆきませんが、それも釣りから与えられている楽しさの一つであり、釣り人にとっては、ある意味での訓練のひとつなのです。

ところで事前の準備がいかに大切なのか、といった事について、なのですが、これは子供の遠足などと違って、認識の持ち方いかんでは、実はその後に行おうとする釣りに多大な影響を及ぼしてしまいます。

時合いは朝に集中する場合が多いものです。
朝のワンチャンスを逃がせば、もうその日はそれで終わり、なんていう日も、過去には何度もありました。

磯上がりしてから竿出しまでの時間を短くするのは、当然ながら事前の十分な準備と段取りの良さがものをいうのです。

また、入れ食いになった時のそのチャンスを最大限モノにできるかどうか、そのためには必要最低限の仕掛け類を手早く取り出し、早急に交換する必要に迫られる場合も多くあります。うろうろとバッグの中を掻き回して探し出す、などといった時間は効率が悪くて仕方ありません。

事前の準備の良さ、段取りの速さ、迅速で無駄のない行動、釣りの上手な人のすべてに共通している大きな特徴です。
これは何も釣り社会だけに限った事ではないような気もしてしまいますが、、、。

ーとなれば、釣りは、釣り場へ出かける前から、もうすでに始まっている、と言っても過言ではないでしょう。


【このページは第18回です】