徳島県 牟岐大島のグレ釣り 2000/1/09


<佐本回り “ジョーギ” 磯の全景>


年も明けて2000年、とうとう今年は20世紀最後の年となってしまいました。

けれども太古からの海は、今なお綿々と存在し続け、グレ釣りの発祥の地 、そうしてグレ釣り師の原点でもある”牟岐大島”は、相変わらず昭和の時代以前からの多くのグレ釣り師達で、(グレ釣りが始まったのは、明治の終わりとも大正の初めとも言われています。)今なお賑わいを見せている場所です。

ーと同時に、これだけ古くから、これだけ多くの釣り人に支持され、親しまれてきた釣り場は、全国にグレ釣り場広し、といえど他には類を見ない場所でもあるのです。

1月9日、そんな牟岐大島が“闘魂会”の一部の皆さんとの、今年初の “グレ釣りの舞台”(?) となりました。

午前六時前には、メンバー15人が牟岐漁港に集結です。
徳島から9人とこのネットで知り合った田村さんを含めた10人、岡山からは5人の参加で、船一隻は貸し切りとなりました。

午前7時前には、集結した16隻の船が大島港内の石切り場での、抽選開始です。

通称、「牟岐方式」と呼ばれるこのシステムは、もう三十年ほども前から磯取り競争が激化したために、予め磯割り区域を決め(現在は十九区域)、さらには船ごとに抽選でそれぞれの磯割り区域を決めるという、非常に公平で、安全なルールなのです。

我が船の代表で望んだ三橋君が引いたクジは、H番。通称「佐本回り」でした。


北寄りの風が少し強く、ウネリも少し強かったために、グレ狙いの人は、“ジョーギ”へ6人、“馬ノ背”へ1人、“マナイタの地へ5人、の12人が最初に磯上がり。
後の3人は始めっから “活きアジ持参のイカ狙い” で、狙っていたポイントへの移動です。???

私を含めた6人は “ジョーギ゙”です。
足場が少し悪い磯なので、全員が快適に釣りを行なうという、という訳にはゆかないかもしれませんが、そこは気心の知れた仲間の事、お互いの気遣いで何の問題もありません。ーが、問題は今日の潮。

大島での釣りは、まずは潮の動向なのです。
上り潮(京都方向に向かって流れる潮)と下り潮では、随分と釣果が違ってくるからなのです。
生憎この日は緩い下り潮。前日まで速い上り潮が走っていた、というのにー。

潮の問題については、サイコロの目と同じで、出たとこ勝負。残念ですが、仕方ありません。

ーが、先端で釣っていた大島常連の林雅芳さんが、出足快調に、まずはいきなりの一匹

このヒットは、今日の釣果を占う上での、我々とっても非常に大きな一匹でした。

グレが釣れた、という事実は、これからグレを釣ろうと思っている人にとって、これ以上の刺激剤はないのですから。


その後、しばらくはアタリも遠のき、午前十時を過ぎたころ “馬ノ背” 向きに釣り座を変えた岡山の石屋二代目の若大将である20歳代の北殿勝志君にいきなりのヒット。彼は何とその後にもう一匹追加。(−でその様子は下記のスナップのとうりです。)

こうなれば、釣れるポイントで、とにかく釣れる時合いに頑張って釣って貰う、磯釣りの定石ルールはそのすぐ後に、見事に証明されたのです。

ーで、岡山の友杉圭三さんにも待望のヒット。

同行の園田義政君にもヒットしたのですが、残念ながら根ズレで残念無念。

けれども牟岐大島へ始めて出かけて来て、そうして初釣りで、岡山の三人は、それぞれにグレをヒットさせたのです。

私にとってもこんなに嬉しい事はありません。
それぞれの若者が、一丸となって、それぞれにグレ釣りを楽しんでいる様子が、今回ほど強く伝わってきた事はありませんでした。

次にヒットさせたのは、熱血銀行マンの重本信秀さん

いつかは釣り上げる、と私は彼については内心全く心配はしていなかったのですが、こうして現場で実際に彼の嬉しそうな顔を眺める事ができたので、またまた安心してしまいました。

ーと喜んでいるのとは裏腹に、私はまだグレと出会っていない、という現実を感じ、ふと時計を眺めればもう11時にもなっているじゃあありませんか。

潮がもう少し下がれば多分釣れるであろう、とタカをくくっていた私の “屋形” 向きの静かなポイントは、まだ魚の気配はありません。

“まあとかなるだろう。”−と変な自信(?)だけは去年よりの相変わらずの気持ちなのですが、何とか頑張って釣ってはいるものの、まだまだ何ともなりません。

皆さんがパカパカと釣り上げる様子は一応スナップに首尾良く収めさせていただいたので、ーと同時に皆さんの楽しさがいつも以上に伝わってきたので、それだけでももう大満足なのですが、けれども私も何とかしなくちゃあなりません。

エサを作り直し、仕掛けを張り直し、針を替え、気分新たに再挑戦。
マキエはきちんと考えて撒き直し、狙うポイントの見直し、釣り方の手順からの再スタートです。(若い人の中で私だけ釣れなかったらカッコ悪いですもんネエ。)

釣り始めて30分後、時折りですが針の餌が無くなり始めました。少し潮の具合いが落ち着いたようです。
ーとその瞬間、・・・ やはりグレは正直でした。

そんなに大きくはなかったものの、私みたいな丸々とした、大島特有のおいしそうなグレ。
「よう食ってきたなあ、おまえ。」 −とでも叫びたい気持ちで一杯した。もうこれで満足、満足。


お正月早々、こんなに首尾良く、また楽しいグレ釣りができるとは思いもよらない事でした。
グレ釣りに出かけて、グレばかりか沢山の楽しみをも皆さんに味合わせて貰ったのですから。

アジ釣り軍団最初3人だったものの、その後快調にヒットさせている様子を携帯電話で知り、途中からは6人軍団へ。さらに1人増えて、とうとう7人の軍団というより連隊となってしまいました。

どうです、岡田芳和君の持っているこの大きなアオリイカ。右横は三橋政英君が釣ったグレのスナップ。

何と、全体で100パイほどのヒット。(40パイほどは身切れや針ハズレで逃げられたそうです。)
−で港へ持ち帰ったのが約60パイ

連隊長の岡田高男さん、岡山の3人の連中に釣らせてあげるばかりか、さらには釣ったイカのお土産までも、という気の遣いようなのですから、お正月早々またまた頭が下がります。

グレ釣り場で、グレ釣り師がグレ釣りを捨ててまで望んだイカ釣り連隊、やはりタダモノの存在ではなかったのです。

私もイカをお土産にいただきましたが、そのおいしかった事、おいしかった事。(失礼ながら、グレより旨い!!)


午後2時には早々に引き上げて、まだお正月気分の抜けきらぬ中での恒例となった15人での食事会。

海亀に来る街 “日和佐” での全員が揃った会席は、皆さんがそれぞれに釣果を得たことも手伝ってか、事のほか楽しい時間となった事は、もうこれ以上言うまでもありません。

愉快な友がいて、楽しい釣りができ、共に楽しく時間を過ごせる、こんな贅沢がほかにあるんでしょうか?