愛媛県中泊のグレ釣り '99/12/12


<鹿島の”ウドの口”より、小地島とナガハエを望む>


日本のグレ釣り場でも類を見ない、大グレ釣り場 “中泊”。

過去には70cmオーバーの尾長グレが、二ケタも釣れた釣り場です。

12月12日、“闘魂会” 今年最後の親睦会の締めくくりは、勿論、一発狙いの釣行です。

集まった釣り人は、いつもの如く、もう狭い港に溢れ出さんばかりです。

<乗船前のスナップ。暗くて何が
何だか、よくわかりませんネエ。>

<船室の様子を外の窓ガラス越しに写したモノ>

ここ中泊の渡船場は、釣れていようがいまいが、そんな釣況には全く関係なしに、いつも釣り人で混雑しているのが常なのです。
それほど釣り人にとっては、魅力溢れる釣り場なのでしょう。

かく言う私も、もうこの場所へ通い始めて十数年が経ってしまい、その間に通った回数もいつしか三ケタを超えてしまいましたがー。

夜明け近くの午前七時前、我々のメンバー23人と他の一般客を含めた40人余りが乗った船の出港です。
最初に目指した磯は、つい先日も65cmの尾長が釣れた小地島の “大三角”

今日は我々の船以外に二隻の計三隻が集結しています。
ーとなれば、ジャンケンで人気磯の “大三角”への磯上がりの権利を競わなければなりません。(これは中泊の磯取りのルールなのです。)

我が船からは、我がメンバーの、福岡から参加していただいた宮本聡明さんが船の代表で望みます。
ホースヘッドをごらんのように向きあわせて、の勝負です。

最初のジャンケンで、まずは赤い服を着た青年の船が敗退です。残るはあと一隻との直接対決。
双方共に気合い充分なのですが、残念ながらこの勝負、あと一歩のところでこちらの敗退、となってしまいました。

勝負は時の運、残念ですが仕方ありません。−で、ここからは他の磯取りの、合戦の火蓋が切って落とされるのです。(後の空いている磯取りは、早いモノ勝ちなのですから。)

予めくじ引きで磯上がりの順番を決めておいた我々のメンバーから、順番に磯上がりの開始です。
一番は宮本さんから、ーで、大グレの一級ポイントである “コデの東”からのスタートです。

私は何と23人中18番目。
コデ周辺から小地周辺へとどんどん降ろしてゆき、私の順番が回って来た時には、もうすでに沖磯は満杯状態。
この日の釣り人の大ラッシュからすれば、もうそれは仕方ない事でした。

磯上がりは鹿島の “ウドの口”
随分通った中泊で、鹿島周辺の磯上がりは、実は始めての経験でした。(いつも船頭さんの気使いで、いかに贅沢な磯に上がらせて貰っていたか、という事をしみじみと実感した次第です。)

まあ大勢のメンバーが、岡山や福岡、大分などなどから遠路遥々参加してくれたのです。
通い慣れている私はともかくとして、反面では、“皆さん何とか頑張ってくれー。”、という気持ちにもなってしまいますがー。


この日は中潮、満潮は午前十時。
ウドの口では、徳島の林基志さん、岡山の小原誠君園田義政君の計四人です。

磯上がり早々に、まずは若手のホープ園田君がいきなりのヒット。40cm近いグレでまずは出足好調、といったところでしょうか。

彼の嬉しそうでなんともいえない笑顔を眺めているだけで、こちらももうグレ釣りの楽しさを味わったような気分になってしまいます。
それじゃー、とばかりに私も自然と気合いが入ってしまうのは、彼の一匹のおかげなのでしょう。

釣れた、釣れた、バンザーイ!、というほどではないのですが、しばらくして私にも小さいながらも30cmを少し超えたグレがヒット。次には小原君のヒット
朝の時合いで、スタートはまずまずと思っていたのですが、ここからが実は誰も予想できない釣り、となってしまったのでした。

潮変わりの十時を過ぎても、流れる方向は相変わらず左方向へウロウロとするばかり。
あの手この手でいろいろ工夫はしてみるものの、誰にもグレは釣れません

本ハゲウミヒゴイ針千本カンダイ、挙げ句の果てにはタカノハダイまでも
魚には失礼ですが、ロクな魚しか釣れません。水温も下がったのでしょう。潮の状態も悪いのでしょう。

♪これっきり、これっきり、もうこれっきりですかー♪。 山口百恵の歌の文句じゃないけれど(かなり古い歌でスンマセン。)、どうも今日の釣りはこれっきりのようなのです。

そんな状況下では、釣り人も何故か意固地になってしまいます。
懸命になって、またまた本気になって、普段以上に挑戦はしてみるのですが、やはり自然の力が遥かに優っていたのでしょう。、、、−という釣れない時の言い訳なのですがー。

お昼過ぎには大猿が、いつの間にやらクーラーの蓋を開け、堂々と、そうして悠然と、飲み物を持ち去ってゆきました。
その風貌の凄い事、凄い事。迫力満点で、おまけに顔もおしりも真っ赤っか。銀色に燦然と輝くその姿には、こちらの度肝までも抜かれてしまいます。(写真に収めたかったのですが、一瞬の出来事と、その風貌におののき、とてもとても無理でした。)
こりゃあダメです。恐れ入りました。

魚釣りは、特に潮の動きの激しい中泊のような場所などでは、なかなか魚はマキエ優先では動いてくれません。
大猿みたいな、食べ物に貪欲な魚がいれば良かったのですが、、、、。


午後二時三十分過ぎには、残念ながら納竿です。

釣果には恵まれなかったものの、楽しかった釣りも終わりました。
後は帰港しての、皆さんの釣果だけが楽しみです。

ーで、その釣果はごらんのとうりです。

左上の50cm近い尾長グレと出会った岡山の高橋敏明さん(37歳)は、何とグレ釣り歴二回目。
使用した竿は、ダイワのインターラインSX1.7号5.3m。
グレを釣ったのはこれが生まれて始めて、というから驚きです。あっぱれ、あっぱれ!

釣りには本当に予期し得ないドラマが待ち受けているのです。これこそが釣り本来の持つ隠された魅力なのかもしれませんがー。

45cmオーバーのグレを釣った大分の佐藤文洋さん(41歳)と徳島の高田典保さん、またごらんのような大きなフエフキダイをその持ち前の技でネジ伏せた大分の浜田正さん(彼は私と同じダイワのテスター仲間です。)、みなさんのそれぞれの表情、満面のその笑みから、釣りの楽しさの、その一部分でも味わっていただくことができた、と思いますが、いかがなものでしょうか。


二十三人の参加で、今回は残念ながら魚に出会えた人は少なかったのですが、これも釣りの持つ宿命(?)なのでしょう。
けれどもこんな魚が、いやそれ以上の魚も、中泊にはまだまだ沢山泳いでいるのです。

釣りは当たり前の事なのですが、出かけていかなければ絶対に出会えるチャンスはないのです。
たとえ今日出会えなくても、次回には、ーといった気持ちで望めば、また明日への釣りに繋がります。
釣れなかった悔しい想いは次の釣りの工夫へと変わり、と同時に次の釣りへの希望と変わります


今日のチャンスは逃したけれど、決して明日からの釣りのチャンスを逃した訳ではないのです。
そう思えば、また釣りに対する想いがより一層強くなるから不思議なものです。

だから釣りは、たとえ今日のこの一日が釣れなくても、けれども、やはり楽しいのです。


午後五時、宇和島市内での恒例となった食事会

集まった二十三人が、それぞれに同じ時間を同じ海で過ごし、そうして同じ想いで一日を懸命になって魚釣りで遊び、最後は食事を共に行なう。気心の知れた仲間と過ごす事の出来る、こんな楽しい時間はありません。
釣りという遊びだけなら一人切りで出かけ、一人切りで海や魚との対峙を楽しめるのですが、釣りを通じての遊びに仲間が集まれば、より楽しくなるのが世の常なのですから。


<こちらのテーブルは、たまたま釣れなかった人。
あっ!、余計な事を書いてしまいました。>

<こちらにも釣れなかった人が二名混じって
いますが、、。後は運(?)良く釣れた人>

まあ今回の中泊は “グレ釣り難易度ではAクラス” の釣り場でしたし、潮の状態も全体的に芳しくはなかった、という事、北西の強風という悪条件、またそれまでの釣況も非常に悪かった、という事実からすれば、皆さんよく頑張った、と感じます。
さらには上がれた磯も、それほど好条件の磯ではなかった、という事実を考えてみてもー。

“闘魂会” ごらんのように若い人が多いので、今後の皆さんの健闘と、そうして活躍に期待大、という事に今回はしておきましょう。


付録

<今回のみならず、昔から私がお世話になっている愛媛渡船の面々です。>

大グレを釣る前に、まずは船頭さんを釣れ、とは釣り人の常識なのですが、ここの船頭さんは非常にバランス感覚の優れた人で、おまけに正義感が強く、姑息な手段での方法を極端に嫌っています。
まあ当たり前の事ですが、何度も通い詰める事、そうしてまずは馴染みになる事
さらには釣り人のみならず船頭さんにも好かれるような、マナーの良い釣り人になる事から始めてみてはいかがでしょう。
そうすれば、船頭さんの方からの気使いで、その内に順番を優先して磯上げをしてくれるようになるものですから。

まあこれはどこの渡船屋さんとて、その基本は同じ事なのでしょうが、、、、。
これも釣りの基本の一つとして、敢えて書かせていただきました。


<終わり>