長崎県五島列島のグレ釣り'98/11/30



<第六回、Daiwa グレマスターズ出場の十六人>


11月30日から12月1日二日間、今年も五島列島で恒例のダイワグレマスターズが、開催されました。
昨年の成績が良かった上位五人がシード選手、全国の予選を勝ち抜いてきた十人に、ダイワ推薦の一名を加えた総勢十六人で争われます。前日の29日に、全員が予定どうり、ベース基地となる平戸に集合しました。

この大会の参加者は、経費はすべてダイワ持ち。その上多くのスタッフが協力してくださる中で、ただただグレ釣りに専念するのみなのですから、こんな贅沢な釣りはありません。さらには、救命具も各人のネーム入りが、そればかりか、マキエのオキアミや集魚材の段取りから、小物のハリスやヒップガードの支給など至れり尽くせりなのです。美味しいご飯も食べさせてくれますし、お酒も飲み放題(?)なのです。綺麗なコンパニオンのおねえちゃんも、レースクイーンのようなピチピチの衣装を纏い、我々選手をにこやかな笑顔で迎えてくれます
もう釣りを行う前に最高に楽しい気分にさせてくれるイベントなのですから、このページをごらんになっている方は、来年はぜひとも参加される事をお薦めいたします。


さて、大会当日の三十日、例年どうり午前三時半にはもう平戸口を出港です。
今年で五回目の参加となる私は、もう勝っ手知ったる大会ベテラン(?)となってしまいました。道具の準備に抜かりはありません。気力も体力も充実しています。昨夜は好きなお酒もほどほどに、何故かグッスリと睡眠も取れました。目指す釣り場で、思う存分グレ釣りを楽しむための、まずは第一関門突破です。

未だ夜が明け切らない午前六時、私の乗った船は福江島近くの久賀島の玄魚鼻へやってきました。それまで降っていた雨の勢いは増々強まり、風の勢いもかなり激しく、さらには季節外れのカミナリまでもが”ゴロゴロ”と唸り声を上げているのです。まあ釣りの日和はどうしようもない事ですから、仕方ありません。しばらく様子を見た結果、午前七時三十分に無事試合は開始されました。

もう今回で五回目の参加となる私は、それまで私のブロックでは、妙な事にいつもお目当てのグレに見放されていました。今年こそ、の期待を胸一杯に一回戦に望んだのですが、釣り座周辺の潮はウロウロするばかりで動こうとはしません。丸ハゲの軍団が辺り一面に居着いています。”とてもこんな状況では、グレなど釣れる筈がない。”、ーと、もう自分で見切りをつけてしまいました。−で、やはり与えられた一時間の間に、とうとうグレは釣れませんでした。(結局、このポイントでは、後から釣った選手三人の誰にもグレは姿を見せてくれなかったのです。)続きは−−−デス。

−−−続きデス。
左の少し離れたエリアで釣っていた同室の本田君は、一匹コッパグレを釣りました。次には40cm前後のグレ。それを眺めていた私は、非常に嬉しくなりました。何故なら、その場所は次に釣るのが私だったからなのです。

***本田政暁君は弱冠28歳。釣りのセンスは非常に素晴らしく、礼儀正しい好青年です。何故か二人で写っている姿を見れば、”我が息子”のような感じがしてしまいます。***

長い一時間でした。釣りようのない釣り場での時間は、非常に長く感じます。以前なら、ガムシャラに餌を撒き、とにかく出会いがしらの一匹でも、と頑張っていた自分から、いつしか釣り場の状況を冷静に見極めるような釣り人に変わっていたのかもしれません。

場所変わりして、いよいよグレとの対面です。潮はメリハリのない動きをしていました。けれども、先程の場所とは潮全体の動きが違います。グレが食ってくるためには、それなりの理由や裏付けがあるのです。まずは潮の動きで、グレは動くのですから。
とうとう五島列島で一匹目の38cmほどのグレを釣りました。この嬉しさといったら、もう試合などどうでもよいくらいに感動してしまいます。狙ったポイントで、狙ったとうりに仕掛けを馴染ませ、狙ったグレを釣り上げる、グレ釣りの楽しさが感じられる瞬間です。
続いて二匹目が釣れました。またまた三匹目、ところが予期せぬ尾長グレの、40cmは軽くオーバーしている奴です。”大きい!”、−と針に掛かったグレの姿に感心していると、磯際の水面近くで残念ながらハリス切れ。”ん!!” 飲まれていたのです。でもグレ釣りにはよくある事で、これは釣りの税金、とでも言っておきましょう。

三番目の磯は、完全な当たり潮。それも半端な動きなどじゃあなく、勢い余って磯へブチ当たってくるのです。もう最悪です。せっかく気分良くグレ釣りを楽しもうと思っていた矢先に、またもやグレに見放されてしまいました。けれども頑張ります。その頑張りに、ひっそりと磯際に潜んでいたチヌが応えてくれました。グレ釣りに、なんでチヌが食ってくるのか、釣った本人にも理解できません。ましてや、チヌにとっても予期せぬ出来事だったに違いありません。前には洋々と広がった大海、本来なら尾長グレのポイントなのです。潮の動きは当たり潮といえども速かったのに、、、、????


<グレ釣りで、運悪く(?)釣れてしまった大チヌです。>

まあ、そんなこんなでまた今年もグレに見放されてしまいました。結果、一匹のグレで勝敗がどっちにころぶかわからない勝負を強いられてしまいましたが、まあこれも仕方ない事です。(結果は、ダイワのホームページをごらんになってください。)


釣れない釣りは辛いモノがあります。けれども主催者の負担と、多くのスタッフの惜しみない協力には、本当に頭が下がる思いで一杯です。釣りは何も魚を釣るばかりじゃなく、釣りという行為を通じて共通の時間を楽しみ合う、という素晴らしい効用があるのです。
ーという理由かどうかはともかくも、その夜は、不思議にニコニコと集まった仲間との語らいで、とうとう飲み明かしてしまい、そのまま決勝戦の観戦に出掛けて行きました。


<もう十年以上の付き合いになってしまった、村越、丹羽の御両人>

決勝戦の二人は、多分息の詰まるような思いで釣っていたに違いありません。ーが我々は、特に村越キャスターと私は徹夜同然にもかかわらず、ごらんの笑顔で、いったい何が楽しいのやら判らないほどのはしゃぎようなのです。これはいったいどうした事なのか。不謹慎そのものかもしれませんが、まあ許して欲しく思います。
負けても勝っても、釣り場で何故か陽気になってしまうのは、心底から釣りという遊びをお互いが愛しているからかもしれません

今回は、釣りの魅力に乾杯です。(完敗ではありません。念のため。)


<終わり>