伊豆半島 中木のメジナ(グレ)釣り ’99/10/12


<白根の全景>


10月12日、今年もまた伊豆半島の中木への釣行です。

偶然にも昨年と同じ日に同じ場所へ、そうして同じ磯への釣行となりました。

出港は昨年と同じく午前五時三十分
今回も販売店の方々と御一緒の講習会、ーとここまでは昨年どうりの手順なのですが、今年は昨年と比べて、釣りにおいては決定的な違いが一つだけありました。それは、昨年の水温22度だった事に対して、今年は25度以上もあった、という事なのです。

まあ自然相手なのですから、これは仕方ない事なのかもしれませんが、けれども釣り人にとって、この水温の違いは、非常に苛酷な現実、と言わざるを得ないような状況なのです。

磯上がりの後は、恒例となった仕掛けとマキエ作りの講習です。

今回の講師は先週に引き続き私と鵜沢さん

仕掛けの説明は私が、そうしてマキエ作りは鵜沢さんにお願いしました。
ーで、左のスナップはマキエの講習の様子です。
集魚材は、今秋発売地域限定販“伊豆メジナ”

集まった皆さんの、真剣な様子には、いつもの事ながら頭が下がる思いです。

今日の伊豆は真夏の太陽と真夏の暑さです。

もう磯上がりした途端、“白根” の東向きの場所は灼熱の太陽がガンガンと照りつけています。
風は全くありません。おまけに後は大きな岩壁に遮られています。暑いの何のって、もう汗がいきなり噴き出してきてたまりません。十月も中旬を向かえようというのに、もうジリジリと照りつける陽光は”真夏” そのものです。
さらには水温もまだ夏磯そのものなので、苛酷で、どうも辛い釣り(どんな釣りでしょう?)、になりそうな予感がしてなりません。

けれども、とにかく釣りの開始です。

磯際から期待を込めてマキエを入れました。
マキエは流れのほとんどない、澄んだ潮の中を気持ち良さそうにゆっくりと沈んでゆきます。
一杯、二杯、と撒いてみるのですが、何故だか魚は一匹たりともマキエに集まってはきません。

全くの無反応。 ー???。 “釣り人をナメとんかい!!” 、とでも言いたくなるような状況が10分ほども続きます。
ーと少し沖に撒いたマキエに一匹の大きな魚(4sほどのメジロいやこちらではワラサと呼ぶそうです。)がチョロチョロと寄ってきてはすぐにいなくなりました。釣り人を馬鹿にしているような光景は、ほんの一瞬だったのです。

けれども一時間ほどの辛抱時間(?)を過ごした後に、ようやく魚は集まってきました
大きなイズスミ三ノ字(ニザダイ)です。けれども、それらはマキエの一部を食べてはすぐにいなくなるのですから、まるで釣り人を冷やかしにでもきているような動きです。アイゴもいました。キタマクラも一匹出てきました。

こんな状況は、実はロクな状況ではないのです。
小魚が全くいなくて、そこそこ知恵のついた魚ばかりなのですから。あー!、困りました。私達はともかくも、せっかく来てくださっている販売店の人にはどうしても釣っていただきたい、という気持ちが強いのですが、、、。
けれど、前半戦はアイゴ一匹に終わりました。

皆さんも思い思いのポイントで釣っているものの、やはり苦労している様子です。
昨年のポイント(西側)には五人が陣取っていますし、沖向き先端では二人がカゴ釣りを行なっています。

ーというような状況下での、今回の作戦は

1.少しでも潮の変化している場所への場所変わり。
2.他の人が釣っている場所が空くのを待つ。

の二点しか方法はないようです。


まずは鵜沢さんが作戦 1の実行です。

午前十時を過ぎた頃、港向きの先端へと移動し、見ればトビウオムロアジの入れ食いショー。
潮は彼の前をかすめるように動いています。
我慢強く辛抱強く根気良く、邪魔な青物のヒットにもめげず、とにかく頑張っているのです。
私はもう暑さで磯の上でひっくり返りそうですが、彼のファイトには頭が下がってしまいます。

ーと感心していたところ、運良く東側の舟付きで釣っていた二人が帰る事になったではありませんか。
チャンス、チャンス、チャンス。なんと私にも作戦 2 を決行するチャンスが訪れてきたのです。

こんな機会を逃す手はありません。少し様子見がてら、一人で場所移動です。
潮はまともに当たってくる完全な “当たり潮”。けれども正面からの当たり潮は磯際に潮壁を作ってくれています。
マキエを撒けば、磯際にはチョウチョウウオなどが集まってきました。まずはグレが釣れる条件の一つを満たしてくれていたのです。
“しめしめ”、こうなれば後は工夫で何とかなりそうです。

その工夫とは、まずは仕掛けの投入地点です。
当たり潮の場合は、少し沖から狙います。ウキ下が三ヒロ前後の仕掛けが手前の潮壁に馴染むまでには、10〜20メートルを要します。(今回の状況下では。)
そのため、潮の流れ具合いを計算しながら、投入地点を決めなければなりません。何度かの繰り返しの作業で、仕掛けの流され具合いを覚えます。
次にマキエを撒く位置とその量です。仕掛けを沖合いへ入れるのですから当然マキエも沖へ入れる事になります。
ウキの周りを囲むように、そうしてバラケないように集魚材でまとめたマキエを三杯ほど撒きます。これが今回のちょっとしたコツでした。

ーで、ごらんのように35cmオーバーをゲット、です。

この一匹を釣るまでに、実は一匹バラシた上に、三ノ字イガミ、と釣り易い外道の魚を釣ってしまってはいたのですが・・・・。

まあ結果的に狙っていたグレが釣れたのですから、“やれやれ。” といった心境になりました。
そこで急きょ、販売店の方を呼び寄せます。今日は私が釣っても仕方ない日なのですから。

釣りの手順は、実は非常に簡単な事なのです。

マキエで魚を集める、まず釣る前のそんな作業から釣りは始まります。
魚がマキエに集まれば、その集まった魚の中へサシエサを入れてゆく。実はたったこれだけの事なのですから。


“沼津釣り具センター”小野厚司さん(41才)、そんな手順をきちんと実行して、何とタフロンZのハリス1.5号で55cmほどもあるイズスミを釣り上げてしまいました。(腕の良さも勿論なのですが、タフロンZの強さにも、本当に驚かされてしまいます。)

近くで釣っていた“さぎざか釣り具”鷺坂喜延さん(38才)にも大物がヒットです。スゴイ引きで、鷺坂さんは残念ながら釣り上げる事はできませんでしたが、多分お二人共に、釣りの基本的なコツというものが、現場での実践を通じて、かなり強く伝わったようです。

納竿の二時前までにはグレは釣れませんでしたが、でも私にとってこんな嬉しい事はありません。
釣りは釣り上げるまでの手順が一番面白く、そうして楽しいのですから。それが少しでも伝わっただけでも、もう私は満足なのです。


少し離れた場所で釣っていた鵜沢さんチーム“イシグロ釣り具”渡辺哲生さん(26才)と水野貴弘さん(25才)は好調でした。
それぞれがグレと対面していたのですから素晴らしい事です。鵜沢さんの苦労して釣った一匹のグレをきっかけに、その後は彼もまた釣って貰うべくの努力を惜しみませんでした。

まあ、全員にはお目当てのグレは釣れなかったのですが、欲を張らず、今日はこのくらいで“よしっ!!” としなければいけませんネエ。


<終わり>