徳島県鳴門亀浦沖の一文字波止のグレ釣り

'99/5/22



<堀越橋からの亀浦一文字波止の展望>


皆さん、グレ釣りは、何も磯からの釣り、だけではありません。ーという事を、今回は最初に提言させていただきます。
その大きさの大小を問わなければ、鳴門周辺などでは、近郊の波止でも十分楽しめる釣りなのです。

ーという訳で、5月22日、私にとっては本当に久し振りの、かつて通い慣れた鳴門の亀浦へ出かける事になりました。
これからの釣りがいったいどこまで上手になるのか、楽しみで仕方ない、まだ弱冠25歳三橋君と一緒です。もう一人の同行者は、林基志さん。
林さんは、ダイワグレマスターズ98年度の全国出場者三橋君も何と一昨年の地区大会ブロック決勝進出、ーと、二人共に“頑張る釣り師”です。

まあそんな事はさておいて、今日は、グレ釣りが何たるか、を徹底的に教えよう(?)、−という私の魂胆から、私が昔(約二十年前)グレ釣りの面白さを教えて貰った鳴門の海へ、まずは三橋君を誘った訳なのです。

午前六時、港からほんの数分で、沖に浮かぶ一文字波止の赤灯台到着です。
この日は小潮、満潮は午前六時です。私の自宅からは、早朝だと30分ほどの距離なので、ゆっくりと、そうしてのんびりと出かけられる釣り場です。
潮の時間を見計らって、ゆっくりと釣り支度を整えた頃には、やがて潮も動き出そうとしていました。

この日のエサは、約四時間ほどの釣りを想定して、持参したオキアミ6sダイワの集魚材“グレジャック”、を各自四袋です。(多いでしょうか?−いやいや、このくらいの量を混ぜないと、ここではとてもここのエサ盗りである数え切れないくらいの数の“オセン”はかわせないのデス。)


波止釣りでは、特に集魚材がその威力を発揮します。集魚効果ばかりか、その比重の軽さ、まとまり性能、などなどは、数え切れないくらいに居着いているエサ盗り対策には、今や絶対に欠かす事のできないモノなのです。
特に、昨年発売されたダイワの“新鮮パック”は、その鮮度の良さといい、さらには匂いの良さもバツグン!!です。磯も勿論なのですが、波止などでは特にその威力が存分に発揮されます。
“新鮮パック”は、波止釣りでも、今やもう欠かす事のできない必需品なのです。

赤灯台先端のテトラは、比較的平らになっている場所が多いので、足場の安定にも全く問題はありません。

ーと、ごらんのような釣り座で釣り始めた三橋君、おもむろにマキエを撒き始めた後、何と最初の一投目で早くも25cmを少し越えているグレを釣り上げてしまいました。釣った本人も勿論なのですが、私も驚き、の一言です。
“今日は願ってもない好条件になる。”、そう確信した私も、彼の潮上に釣り座を構え、まずは少し釣らせて貰う事にしました。

まだ潮の動きは緩やかですが、エサ盗りの撒き餌に対するその反応は元気そのもの、です。こうなればしめたもの。
釣り始めて十分ほどでマキエが効き始めたのか、グレは案の定、バタバタと釣れ始めました。

マスターズ計量サイズ(25cm以上)がほとんどですから、もうコッパグレ(?)とは呼べないでしょう。
(私は二本針でダブルヒットの様子なのですが、向かって右側は22cmのコッパです。スミマセン。)


海はベタ凪、エサ盗りの数はマキエを入れるたび毎に、どんどん増えてきます。
ここからがやっと、私の本領(?)発揮、なのです。何故なら、グレ釣りはゲームなのですから。
ウキ下は少しでも型の良いグレを釣り上げるために二ヒロ前後狙うポイントは少し沖合いです。

この釣りでのキーポイントは、まずはマキエの量と撒き方です。
エサ盗りである“オセン対策”を考えて撒かなければ、刺し餌は間違いなくオセンの餌食になってしまいます。
とても狙ったグレなどにはエサは届かないのですから。一見苛酷な釣りのようなのですが、オセンとグレのお互いのその習性をきちんと認識していさえすれば、それほど問題はないのです。−が、まだ若い彼にはその方法が判らない(?)ようなのですから、今日は教え甲斐がある、というものです。

まずは手前近くにオセンを集めるためのマキエ、次にグレを集めるためのマキエを少し沖へ、その後釣るためのマキエをさらに少し沖合いへ縦に散らばるように撒き、そうして、その手前にオセンを沖へ出さないようにするための足止めのマキエ、このの撒き方の動作を、魚の動きを見ながら一連の素早い動作で行なわなければならないのですから、少しの慣れが必要なのかもしれませんがー。

ーが、とにかく彼には自分の好きなように釣って貰い、まずは隣りで私も何気いフリ(?)をして、黙って釣る事にしました。

一時間ほど経った頃、さすがの彼も、やっと何か釣り方が違う、という事に気が付き始めたようです。狙って、計算どうりに釣り上げている私の姿を、やはり横で虎視耽々と眺めていたのです。
釣りの指導(?)は決して理屈などではありません。まずは一緒に現場へ出かけて行って、実践し、実際にその釣り場で相手に見て貰うのが一番手っ取り早い方法なのですから。

そこでようやくグレを釣るための計算方法を、実践を行ないながら、解説する事になりました。
条件も良かったので、エサ盗りのオセンはこちらの撒き餌で、自由自在に動きます。またグレはグレで、こちらの狙いどうり、一投ごとに釣れてしまいます。釣っている私も、“何でこんなに状況が良いのか、本当に鳴門の海と、そうしてグレに、感謝、感謝。” です。

一応の方法が伝われば、今度は彼自らに実践して貰います。
いきなりに、なかなか上手くはゆかないようなのですが、けれども、何度かの失敗(?)を繰り返しながらも、何投か目にはきちんと教えたとうりに実践して、グレを釣り上げています。結構カンの良い釣り師です。これで私も一応、一安心。

狙い、計算して釣る事の楽しさ、面白さを、何度かの繰り返しの実践の中で、徐々に自分で感じ始めたようです。
そうです、釣りという遊びは、自分自身が楽しく、そうして面白くなければいけないのですから。

偶然や勢いに任せて釣る釣りも面白いのですが、こちらから仕掛けて、そうして計算して釣る釣りは、それよりももっともっと面白い、という事が伝わっただけでも、もう私は満足、満足。


波止のすぐ近くを、多くの観光客を乗せた観潮船が通り過ぎてゆきます。
こんな近場の波止で、30cm近いグレが沢山釣れるのですから、たまの波止釣りも楽しいモノですヨ。
爽やかな五月の風の中で、のどかで穏やかな時間はゆっくりと流れてゆき、釣り人にも、また次の釣りへの新たなる元気を与えてくれます。人生で、また今日もこんなに楽しい時間を、こんな風に釣りで過ごすことができる、という幸せを感じてしまう瞬間です。

<鳴門の渦潮見物の観潮船>


ーで、もう一人の同行の林さんも、楽しくグレと遊んでいます。その表情はごらんのとうりです。

彼を初めてこの波止へ連れてきたのは、もう15年以上も前の事でした。
それを境に、彼のグレ釣りは大きく飛躍し、そうして変貌しました。
こんな波止での釣りに、実は、グレ釣りのノウハウが、数え切れないくらいに凝縮されていたのです。

私もグレの習性やエサ盗りの習性、さらにはグレ釣りそのものの基本を教わったのは、波止でした。
グレ釣りの基本となるヒントやそのノウハウは、実は身近な波止に沢山隠されていたのです。
潮を覚え、さまざまな魚の餌に対するその反応具合いを覚え、その就餌性を覚え、さらにはグレの習性を覚える、という基本は、多くの魚が集まり、そうしてその姿を眺めながらの釣りができる、いわば波止特有の特権なのですから。

最近は、釣りの覚え始めから、いきなりに磯へ出かける釣り人が多くなりました。ーが、やはり多くの遊びと同様に、釣りにも順番があり、基本がある、と私には思えて仕方ないのです。

勿論釣りも自由な遊びです。自由気ままに、自分の思ったとうりに遊べば良いのです。−が、自由な反面、遊びには沢山のマナーやルール、そうして数多くの絶対に無視することのできない、“基本”、というモノが存在しているのです。
より楽しく遊ぼう、と考えるなら、やはり“欲張り”になり、“基本”、をきちんと覚える事から始るのが、釣りをいちばん楽しめる方法であり、一番の上達の近道だと考えるのですが、さてさて、いかがなものでしょうか。


熱心に釣っていた三橋君に、今度は林さんが、釣りの秘訣やその基本の一部を、身を持って伝授です。

素直で熱心な人は釣りの上達も早いもの。おそらく後数年もすれば、彼も素晴らしい釣り人になる、そんな気がしてなりません。
余談ですが、彼は納竿する正午過ぎまでに、25cm以上のグレを十五匹ほども釣り上げたのですから。


鳴門亀浦沖の一文字波止について

所は、鳴門観潮船乗り場のすぐ沖に位置しています。
釣り座のポイントは、だいたいは潮通しの良い一文字の両先端外向き、になります。また、二ヵ所の曲がっている周辺も好ポイント。
グレの他、チヌ、メバル、アジ、サヨリ、などなどが釣れます。けれども、本命はやはりその数の多さから言っても、グレです。

この釣り場でのグレ釣りは、実は私が約二十年近く前に始めたのが最初でした。
当時は白アミや赤アミでしか釣れなかったものですし、まだ誰も専門に狙って釣る人はいませんでした。
現在では週末などは、亀浦周辺の波止は多くの人で賑わっていますが、まだまだ一文字波止へ渡る人は十人程度、と比較的釣り人も少ないようです。エサは、現在ではオキアミと集魚材で十分です。

グレの大きさは、この日は少し大きくて、平均サイズは25cmオーバーが約七割でした。小さいグレも数多いのですが、30cmオーバーもかなり居着いています。力は磯のグレよりもかなり強いので、30cmオーバーの取り込みには特に注意が必要です。ちなみに、私の過去の最大記録は、38cm、林さんは39cm。

グレのシーズンは、5月〜7月くらいまでと、10月〜12月が最盛期。
この日、私が釣ったグレの中の一匹は、小さいながらも、何と今までに釣れたこともない、“尾長グレ”、でした。鳴門のグレも随分と様変わりしたものです。

渡船は、観潮船発着場から常時、船外機で渡してくれます。渡船代は、\1,000.-
<連絡先は、若山さん。(088)−685−6418


<終わり>