高知県甲浦の磯釣り '99/4/25



<甲浦港出口の赤灯台(手前の磯はマルバエ)>


四月二十五日、徳島県の県境に位置する、高知県の甲浦(かんのうら)での磯釣りです。
今回の狙いはズバリ、グレ一本。最近の高水温が影響してか、以前にはあまり見られなかった、“尾長グレ”、が、徳島県南から甲浦一体にかけて回遊している、との情報で、ワクワク気分に加え、期待は嫌が上にも高まってしまいます。
同行は、最近結成した我が釣りの交流クラブ、“闘魂会”、のメンバーの、林雅芳さんです。
彼はダイワグレマスターズでも地区ブロック大会まで進出し、徳島県釣り連盟の大会でも上位入賞を幾度となく経験している腕達者、今日は私も安心して釣りに専念できそうです。

午前五時前に港到着。
日曜日だというのに、いつもは多い釣り人の姿が、そんなには見当たりません。出船までにはまだ三十分ほど残されてはいるのですが、またまた非常にラッキー(?)な気分になりました。
出船は、少し遅れて午前五時四十分。もうすでに辺りは夜が明けきっている中、我々を乗せた船は港から左方向に位置する“銀座”方面へ

先客を下ろし、さらにどんどん遠くへ向かいます。サーフィンで有名な生見浜海岸を遠目に横切り、“いったい何処に磯があるんだろう?”、−とそんな気にもなるほどの距離を走り、やっとたどり着いた磯は、“ヤグラ”、でした。ウネリは大きく、周囲のシモリ磯は波で真っ白。その情景は、ごらんのとうりです。

午前6時10分。磯上がりと同時にすぐさま釣りの支度です。
普段ならそうは急がないのですが、釣りで一番大切なのは、まずは、時合い、なのです。

この日の干潮は午前8時。満潮は午後2時。潮は長潮。−とすれば、朝の時合いの一時間ほどと、満潮前の二時間ほど、さらに最後の残されたチャンスが、満潮から納竿前(午後4時)までの一時間足らず。
私はまず、自然から与えられたグッドチャンスは、僅か四時間ほどしかないのだ、と考えました。(潮の流れや動きの状態が良ければ、この条件には必ずしも当てはまらないのですが。)

僅か十分ほどで、エサと仕掛けの準備を整え、早急に釣り開始です。
林さんも私も、竿はダイワのインターラインSZ−F-1、1.5号。ハリスは、“タフロンZ”、の1.5号です。
いやそればかりか、帽子も一緒なら、さらには救命具も一緒。これはたまたまの偶然なのですが、私にとっては、“変な気分(?)”、です。良い道具を選んで使うというのは、至極当たり前の事なのでしょうが・・・・。

いつも愛用しているダイワの集魚材、“グレジャック”、を配合した効果満点の撒き餌を周囲にパラリパラリ。
そうして期待の第一投からいつものように釣りは始まりました。???、何度か繰り返しても、サシエはそのままで全くかじられた様子さえありません。撒き餌にも魚一匹たりとも集まってこないのです。
二度、三度と仕掛けを打ち返すたびに、ウキ下を深くして、もうすでに四投目には竿一本半。・・・・ーで、いきなりのヒットです。

午前6時40分、少し小さい(?)ながらも、35cmの尾長グレをゲット。磯釣りに出かけて一番嬉しい瞬間です。やはり噂は本当でした。その事実が確認できただけでも、来た甲斐があった、というものです。
続いて午前7時またしても私に、“アタリ”、です。その時のウキ下は、竿二本
少し頭を振って抵抗している魚の動きを感じながらも、とにかくよく引っぱってくれました。ところが水面に現れたその姿を見て仰天ビックリ。またまた今日も内心恐れていた事をやってしまったのです。

グレ釣りに行けばチヌ、チヌ釣りに行けばグレを、最近の私はどうもいけません。でも何で尾長グレが釣れる釣り場で、全く予期していなかったチヌが釣れるのでしょうか? でも、取り敢えずは、ほんの少しだけは嬉しいのですが、、、。
実寸50.5cm、とにかく50cmオーバーのチヌですから、
我ながら大したモノです。!?(−ん!!、何が、、、、?)


メジャーと共に写したのですが、メジャーが小さくて、・・・・・・。これじゃあ、せっかくの証拠写真のつもりだったのに、写真からでは大きさが全く確認できませんネエ。スンマセン、ア−!、失敗、失敗>

(少し遠慮がちに、けれども催促して、写して貰いました。)


二匹の魚が釣れたことで、俄然、林さんも奮起です。
魚の食ってくるタナが、彼の考えていたより深かったので、少し面くらっていたのでしょう。けれどもやはり、“阿波の釣り師”、です。その臨機応変さで、お昼ごろからはコンスタントにグレを釣り上げました。

ーと、ごらんのとうりです。
ここに写っているグレは、その大きさは同じようなサイズなのですが、全部違うグレです。(写っているのは偶然にも口太グレばかりになってしまいましたが、、、。)
釣果云々ばかりが決して釣りではないのですが、けれども、釣りは釣れてこそ、その楽しさもより倍加するのです。彼のその表情で、それは疑う(?)ことなく理解できるでしょう。


この日のタナは、竿一本半前後、という深さでした。
撒き餌をいくら撒いても、エサ取り一匹すら姿を現さない状況が、終日に渡って続きました。そうしてサシエの盗られ具合いもまた、非常に悪い状態が続きました。それらの厳しい条件は、まずはタナ取りの判断を狂わせてしまいます。
潮の時合いは、干潮が午前8時で満潮が午後2時、という魚の就餌条件には厳しい潮回り。さらには三〜四日前にまとまって降った雨の影響からか、潮の色は8時過ぎからは水潮で白っぽくなり、とても釣りになるような状況ではありませんでした。おまけにグレ狙いには最悪の、当たり潮。

こんな時、こんな状況下を想定した上で、前もって考えなければならない事があります。それは、いつ釣りの時合いがやってくるのか、という事。この事が、実はこの日の釣りでは、非常に大きな意味を持っていたのです。
長年釣りで痛い目(?)に会ってばかりいる私は、こういった状況を想定して、前もって釣りの組み立てを考えていました。

魚は、まずは潮に敏感に反応します。その潮を釣る、グレ釣りの一番の基本に他ならないのですが、まずはいの潮を狙う、その事だけをあらかじめ想定して望んだのです。

その時合いとは早朝の一時間ほどの通称、“ゴールデンタイム”
その次の時合いは、口太グレなら、“上げ潮三分、引き七分。”、といわれているように、満潮の1.8時間前(6時間 X 0.3)、と満潮からの4.2時間(6時間 X 0.7)。尾長グレ狙いなら、基本的には干潮からの満ち潮。けれども尾長グレは潮の変化に特に敏感なので、これは潮の動き次第になるため、全く計算できない要因です。(例外として、ここでは、潮の流れが速く、満ち潮場、あるいは引き潮場、と完全に片潮だけに左右される釣り場は除きます。)
納竿時間は午後4時。干潮、満潮前後の一時間ほどは魚の動きも一服するのが常。ーとなれば、早朝の一時間と満潮前後の三時間程度の時間が当然ながら、“時合い”、のゴールデンタイムとなってくるのです。

果たして結果は、、、、? ーといえば、やっぱり私の予想したとうりになってしまいました。
この事は磯上がりの後、前もって林さんに伝えておいたのですが、魚が釣れたのは早朝の一時間と、満潮前の二時間だけだったのですから、グレ釣りの基本の法則を思い出し、たまには潮の計算をおこなってみるのも必要な事なのです。

ーで、結果は二人で合わせて十匹ほどのグレ。狙っていた尾長グレもそう大きくはなかったのですが、五匹混じりました。ただ一つ誤算だったのは、午後2時の満潮前後に急に沖から悪臭までをも連れて襲ってきた、いや押し寄せてきた赤潮。こんなに酷い赤潮は、初めての対面です。これではとても釣りどころではありません。
ーで、仕方なく午後2時過ぎに船頭さんに連絡を取り、急きょ、退散、退散

この日は、少し北に位置している徳島県の牟岐大島でも、赤潮の影響で釣りにならなかったそうです。普通なら夏によく見られる現象なのですが、こんな情景が、春早々から生じる、というのは、やっぱり今年は何か変な年回りなのかもしれませんがー。


甲浦の紹介

島県と高知県の県境に位置する高知県の甲浦は、室戸阿南海岸国定公園でもあり、大阪南港ー甲浦ー足摺を結んでいる“フェリー室戸”、の発着場でもあります。
近くの国道55号は通称、“サーフィン街道”、と呼ばれ、釣り人ばかりか大勢のサーファーで周年賑わっている海岸通りです。
目の前に拡がった太平洋が一望できる、素晴らしく美しいその風景は、いつ行っても何故か南国の雰囲気を味合わせてくれます。
こんな場所で、たまにはゆっくりと、そうしてのんびりとした気分を味わいながらの釣りも、時には良いものですヨ。
それに何といっても
渡船代が¥3,000.-、というのも魅力です。ぜひ一度、出かけられてはいかがでしょう。


<終わり>