愛媛県武者泊のグレ釣り'98/11/23



今年は例年と比べると、全ての面において、随分と勝手が違います。<これは前にも書きましたが、、、>。
私の記念すべき誕生日の、十一月二十三日の勤労感謝の日この秋のシーズンで始めての四国の西海釣行です。
それまでに当然ながら何度か出掛ける予定だったのですが、日和の悪さや、メンバーの急な用事などで、はたまた"余り釣れていない、などなどの事情から、今回やっと、となった訳なのです。
かつて、こんなに遅くに西海への初釣行などは、とても、とても考えられない事でした。速いシーズンには、九月の第二週から私の西海遠征は始まっていました。いくら遅くても、十月にもなれば、もう心も体も西海へ飛んでいたのですから。
まずは、この行動パターンも、例年とは随分と勝手が違う事でした。

前日の二十二日午後九時三十分、私の家に集まった正木さんと林君の三人で、これからの目指す釣り場までの約三百三十km余りの長旅の出発です。往復にすれば、六百六十kmと大変な距離なのですが、魚も勿論ですが、楽しみをも釣りに出掛けるのです。少々の長旅などへちゃらなのです。
西海へ出掛けるようになって、もう十五年以上があっという間に過ぎてしまいました。

目指すは、愛媛県の武者泊。愛媛県から高知県の四国西南部のほとんどの釣り場は、勝手知ったる釣り場なのですが、その中でも釣果は手堅く(?)、そうして私の大好きな尾長グレをも狙える、グレの宝庫なのです。
出港までにはまだ二時間ほど前の午前四時三十分、渡船場に到着です。日和は、前日の天気予報とは随分と勝手が違い、辺り一帯には、まるで嵐を思わせるような激しい風が吹き荒れています。おかしい??? −ん、こんな筈じゃなかったのに。けれど、まあ、夜が明ければ収まるに違いありません。(勝手な願望デス。)

港には、釣り人の車が十一台。前日に船頭さんに問い合わせた時には、”釣り客はそれほど多くない。”ーとの事だったのですが、ーん?!!、めちゃめちゃ多いやんけ。、何故か大阪弁の独り言など出てしまいました。でも、これも仕方ない事です。

我々を含め三十人近く乗せた船は、まずは目指す鼻面岬に向かいました。風は相変わらず強く、まだまだ収まりそうにはありません。そのせいかどうか、全天候型とは言えないまでも、悪天候には非常に強いこの武者泊に集まった船には、どの船も満杯の釣り客が乗っています。それも仕方ない事なのですが、運の悪い事に、この強風の中を沖磯へ向かった船は一隻のみ、で、残りの船はすべてが鼻面岬南向きの風裏に集合してしまいました。密かに目指していた、地の磯(じのそう)には、今日は誰も上がれないのです。さらには、鼻面岬から奥の磯も使えないのです。その上に海の上では、磯上がりを心待ちにしている釣り人の大ラッシュ
非常に残念な事なのですが、まあ、これも仕方ない事です。

そんなこんなで、船どうしの抽選の結果、廻鼻近くの”ガマゴウラ”をすぐ東に望む”?”という場所へ磯上がりです。
釣り場の磯からの、”ガマゴウラ”磯のスナップです。
澄み切った空は、限りがないほどに蒼く拡がり、海は自然の美しさと雄大さと、そして豊かさを表わすように深い藍色でたたずんでいました。
残念ながら、この情景は、帰る間際に撮影したモノです。それまでは、信じられないくらいに波立ち、波は白馬に変わり、小生意気な竜巻なども時折暴れたりしていたのですから。

マキエを磯際に撒きました。キタマクラが寄ってきます。赤ジャコ(ネンブツダイ)も嬉しそうに集まってきました。撒いた餌に魚が反してくれるのも、魚釣りの、まずは楽しさの一つなのです
潮は釣り場に押し付けるように当たってきます。当たり潮は厄介です。マキエを撒いても、仕掛けを投げても、すぐに手前へ寄ってくるのですから。おまけに、当たり潮は磯際近くではね返す沸き潮を作ってしまいます沸き潮は拡散する潮となる場合が多く、拡散する潮はグレ釣りには大敵となってしまいます。グレ釣りで狙わなければならないのは、集合し、潜ってゆく潮なのですから。

ポイントは、沸き潮の作る鏡潮と、手前に押し付けてくるシワ潮との境の一点です。上潮と下潮との動きがそんなに違わなければ、グレとの出会いはそう難しくありません。セオリーどうりに釣り始めるや否や、すぐさま、”?十?歳”を迎えて初の、二十七cmほどのグレがヒットしました。もうこの一匹で、取りあえずはここまで来た甲斐があったというものです。

地磯で、潮通しは余り期待できず、一日中のほとんどは当たり潮。さらには十cm〜二十cmくらいのグレが沢山居着いている場所です。こんな釣り場でこそ、コッパグレの中から少しでも型の良いのを、狙い釣り上げるための努力と工夫は、非常に面白いゲームとなります。

釣りは与えられた条件の中で、自分なりに、懸命に、そして夢中になって遊ぶところが面白いのです。誰しも、良い条件で、大きい魚を、誰よりも沢山釣りたい、と思っているのですが、釣りも人生も、なかなか自分の思惑どうりに事が運ばないのが”世の常なのですから。

型の良いグレを狙うコツは、簡単です。その方法とは、少し潮下の、少し沖合いの、そうして、少し深みを狙うことなのです。そのため、マキエは広範囲に散らばるように撒き仕掛けはマキエから少し離れた場所へ入れてやるのです。

釣り始めから私のタナは、竿一本以上です。隣で釣っていた正木さんも林君も、小さいグレの中から少しでも大きいグレをと頑張っています。

ーで、ガンバッタ結果は、ごらんのとうりデス。


この日のタナは、非常に深かったのです。マキエに集まるコッパグレでさえも、底の方から時折浅いタナに浮いてはくるものの、それでもすぐに潜ってしまいます。さらには、撒いたマキエに我先にと競争しあう様子も見られないのです。
勿論小さいグレだけを釣ろうと思えば、二ヒロもあれば十分の深さには浮いてきていました。ーが、コッパよりもまだまだ小さいミニグレでさえも、釣れたその大半は竿一本という深いタナだったのですから、これは何かの要因で、魚が嫌がっているとしか思えません。
このようなグレの習性変化は、数年前までは考えられない事でした。小さいグレは自分の食べる行動範囲や活動するタナが、いくらかの例外はあっても、だいたいは決まっていたものです。それがいつしか、かなりその範囲が大雑把(?)になり、それに伴い、我々釣り人のそれまでに築き上げてきた経験をも修正せざるを得なくなりました。釣りに、釣り人特有の固定観念は禁物なのかもしれません。季節のうつろいなども特にそうなのですが、グレ釣りも、年々それまでの予想とは少しズレが生じるようになってきた事は、否めない事実なのです。

私の狙ったタナは、当たり前かもしれませんが、型の良いグレが食うであろうタナ。それが釣っているといつしか次第に深くなり、とうとう竿二本以上のタナになっていました。これはもうチヌ釣りの世界です。けれども、最近のグレ釣りは、実は非常変化しているのが現状なのです。数年前からこのような傾向が現れ始めました。深ダナで、グレが入れ食い一つパターンを掴めれば、またまたグレ釣りが楽しくなります。

ぜひ一度試して欲しく思います。こちらが工夫をすればするほど、グレも釣り人に対して正直に応えてくれるのです

*深釣りのコツ*は、仕掛けはできる限り軽くマキエは広範囲にパラパラと仕掛けの流し方は自然の流れに同調させるように、狙うポイントは潮に変化がある場所、そうして仕掛け全体が潮に引き込まれる場所へ。

以上の点に注意を払っていただければ、深ダナでグレが入れ食い、といった状況にかならずや出くわす事でしょう。

私の記念すべき誕生日、楽しい一日を、またもや今年も大好きなグレ釣りで、過ごしてしまいました。


武者泊について
とにかくグレが沢山棲み着いている海域です。
尾長狙いなら、かつてその名を馳せた沖磯のヤッカンアブセ、少し地よりの本バエ周辺も40cmオーバーの数釣りが楽しめる場所です。地寄りでは、馬ノ瀬、や沖ススキ周辺鼻面岬周辺も型の良い尾長が泳いでいます。
以外と穴場なのが、野地島周辺。野地には尾長の50cm近いのが不思議と数多く居着いている場所が沢山あります。何も尾長グレは潮通しの良い磯ばかりとは限らないのです。周辺の潮通しがよければ、一休みをするためかどうか判りませんが、べったりとしたあまり潮の流れのない磯でも十分に狙えるのです。
口太狙いなら、どんな磯であろうが全く心配はありません。大きいグレはやはり水深がそこそこにあり、そこそこ潮通しの良い場所でなければあまり期待は持てませんが、それでもどの磯にも40cmオーバーのグレは、その数の多い少ないを問題にしなければ、結構釣れます。グレ釣り道場、武者泊。ぜひ一度機会を作ってお出掛けください。


<終わり>