徳島県牟岐津島のグレ釣り’99/1/23



<佐尾山、そして後方に牟岐大島を望む>(サンゴの東より)


一月二十三日(土曜日)、我が地元、徳島県は牟岐の津島でのグレ釣りです。
今年はシーズンが遅れている、と言われている中で、やっと”グレ本番”の火蓋が切られた、徳島県の県南磯群。
水温は十八〜十九度と例年に比べればまだ幾分は高いものの、どの磯もやっと、”お待たせしましました!!”−とばかりに、絶好調となってきました。
私の釣友四人(高田、八木、松久保さん)と牟岐新港に到着したのが、午前六時。もうすでに当たり一面は釣り人の姿で賑わっている中での着替えです。
”ようけ(沢山)来とるなあー。”、開口一番、やはり他の釣り人の動向が気になるのは仕方ありません。
午前六時半過ぎに、我々四人を含め総勢十六人を乗せた”轟丸”は静かな海を滑るように出港してゆきました。

どの船もほぼ定員一杯近くを乗せた八隻の船が、揃って抽選場への集結です。
《ここで、ご存知のない方が多いかも知れませんので、牟岐の津島や大島での磯割り方法を少し説明しておきます。》
*通称「牟岐方式」と呼ばれている磯割り方法とは、磯釣りの場合、通常はどうしても一級磯の奪い合いになります。そこで出港の時間を決め、一ヵ所に一旦集結し、抽選で各船の磯割り区域を決めます。区域割りが決まった後、船頭さんの指示に従い、今度は船の中で各釣り人が上がる順番を決めるために抽選を行います。非常に公平な制度で、この方式を採用したのは、全国にさきがけて一番早かったし、その後もずっと守り続けられています。ちなみに、津島では七つの磯割区域となっています。*

クジ引きの結果は六番。”ヤッタ、ヤッタ!!”、−と船の全員が大喜びです。サンゴ回りの願ってもない好釣り場を引き当てたのですから。そこで次の関所である、磯上がりの順番を決めるくじ引きです。船頭さんの差し出したクジを十五番目に引いた私は、何と二番です。私の知らない他の釣り人には非常に申し訳のない事なのですが、こんなに運の良い、こんなに嬉しい瞬間はありませんでした。ーで、我々四人が上がった場所は、一級ポイントである”サンゴの東”。もう今日は、”釣れたも同然!!”、ーという気持ちに何故か思わずなってしまいます。
普段は上がりたくても、なかなか上がる事のできない磯なのですから。


<すぐ隣の”サンゴの胴”で釣っているのが八木さん。>

今日の潮回りは、中潮で満潮が十時過ぎ。釣り始めてしばらくして、東のハナで釣っていた松久保さんが、挨拶がわりにまず一匹。やはり、一級磯でした。釣りは、まずはとにかく場所が優先するのです。ポイントの選択は、非常に重要な事なのです。繰り返すようですが、釣りは一に場所、二に場所の選択眼、三に釣りこなす腕。
それにしても、さすが松久保さんは津島の常連だけあって、与えられたチャンスをきちんと捉えます。彼の一匹は、我々に希望とファイトを与えてくれました。彼にとっても、我々にとっても、非常に嬉しい瞬間は、予想より遥かに早くやってきたのです。さらには続いて二匹目。釣れたグレは、ごらんのとうりに丸々と良く越えた40cm近い大物だったのですから、彼の嬉しさが、下のスナップの表情に溢れ出ているのは至極当たり前な事なのでしょう。

釣りという遊びは、これほどまでに釣り人を喜ばせてくれるのです。満面の笑顔溢れ出さんばかりの興奮ただただ自分自身が理屈なしに楽しくなれる、それが自分の意識しない部分から自然に滲み出してくるそれこそが、釣りの持つ魅力や魔力の一つなのでしょう。
心底からの笑顔は、周囲を明るくしてくれます。彼の嬉しそうな顔を見て、何故か私も自分の意識しない内に、いつしか彼と同様、嬉しくなっていたのですから。


<松久保さんの、百万ドル(?)の笑顔デス。>
***(私のこの日一番の大物、42.3cmのグレ)***
***高田さん、尾長グレを手にした恍惚の表情***

満潮の十時過ぎまでに、もうすでに我々全員で早くも二十匹近くのグレが釣れてしまいました。
潮は、上がり潮がその勢いをどんどんどんどん強めて流れてゆきます。一級磯で、申し分のない潮取りです。今日だけは、グレ達には申し訳ないのですが観念して貰わなければなりません。(長年釣りをしていると、たまにはこんな日にも遭遇する、という事なのでしょう。天は、我々釣り人に味方したようです。)

相変わらず、グレはコンスタントに釣れ続きました。私の好きな尾長グレも、35〜40cmまでですが全員で八匹ほど混じりました。途中、尾長の40cmを遥かに越えるような奴と何度か渡りあったのですが、それは残念ながらグレに軍配が上がってしまいました。それでも今日は何故か、悔しさ以上の、次への期待感、へと変わってしまいました。
牟岐のグレは総体的にいえば、そうそう簡単に飛びつくようには食ってくれない場合が多く、西海などと比べても少し手強いのが常なのですが、まさかこのようなドラマが待っていようとは。この日も、そのほとんどは出合い頭に、パクッ、とは食ってくれなかったのですが、そこは勝手知ったる阿波の釣り師。納竿の四時までには、グレの数もいつしかそれぞれが二ケタを超していたのです。


<一番沢山釣った、松久保さんの仕掛け用具の紹介>
竿:ダイワスーパーインターラインVSトーナメント磯SP F-1 1.7号 5.3m。
リール:ダイワトーナメントX-3000LBA
ハリス:ダイワタフロンZ DPLS1.5号
集魚剤:ダイワ新鮮パック”グレジャック”

<釣れたタナとグレの大きさ>
タナ:1.5ヒロ〜4ヒロ。一番ヒットしたタナは3ヒロ前後。
グレの大きさ:この日釣れたグレは30cm以上で、その半数は35cm前後。勿論40cm級もそこそこに。


【お世話になった渡船の紹介】

轟丸(08847−2−0097)
先代の船長の息子さんが船頭です。(左側の写真)
釣りが大好きみたいで、釣り人なのか船長なのか、私には初対面だったので理解はできないのですが、だ一つ確実に言える事があります。
それは、釣りの好きな船頭さんは釣り人の立場になってお世話をする事ができる、という事。
若くて、釣りが好きで、元気はつらつで、釣り人の気持ちを理解してくれて、それにカンも良さそうです。
余談になるかもしれませんが、午後三時納竿を、ここの轟丸だけは四時納竿という、釣り人にとっては非常に有り難いシステムをとってくれています。それだけでも、非常に嬉しい事ですが、いかがなものでしょう?

<終わり>